top of page

膝の痛みに効果的な治療法を専門医が解説

更新日:12 分前

あなたに最適な治療とは

 

湿布や痛み止めを使っても効果が感じられない」「ヒアルロン酸注射をしたけど改善しない」また、「手術はしたくないけど、痛みはなくなってほしい」というお悩みを抱える方も少なくありません。このコラムでは、再生医療を中心に、膝の痛みに対する最新の治療法について詳しく解説します


 

痛み止めや湿布の役割と限界


痛み止めや湿布は、膝の痛みを和らげるための一般的な治療法として広く用いられています。これらは対症療法としての側面が強いものの、軽い炎症による症状であれば改善が期待できる場合もあります。


  • 痛み止め: 炎症や痛みを軽減する効果があり、軽度の症状では有効な場合もありますが、長期的な使用は副作用のリスクを伴うため注意が必要です。

  • 湿布: 炎症や痛みを軽減する効果があり、腫れや熱感を伴う症状に対して有効です。ただし、関節の損傷や軟骨の摩耗を修復する力はありません。


保存療法

 

ヒアルロン酸注射の効果と適応


ヒアルロン酸注射は、膝関節に潤滑性を与え、炎症を抑える効果が期待される治療法です。多くの患者さまがこの治療を受けており、以下のような適応や効果が報告されています。


  • 治療のスケジュール: 通常、1週間以上の間隔をあけて5回の注射を行うことが推奨されます。それによって痛みが改善する方も多くいらっしゃいます。

    • 症状が残る方には、2週間以上の間隔をあけて継続的に注射を行うケースもあります。

  • 効果の特徴

    • 軽い炎症の方では、症状が改善する場合があります。

    • ただし、効果が短期的であり、持続しない方も少なくありません。


ヒアルロン酸注射は症状に応じて効果が異なるため、治療の効果を確認しながら専門医と相談して進めることが重要です。


ヒアルロン酸注射

 

手術療法


症状が重度で保存療法や再生医療では十分な効果が得られない場合、手術療法が検討されます。手術療法には以下の方法があります。


  • 人工関節置換術: 痛んだ膝関節を人工関節に置き換える手術です。術後のリハビリを適切に行えば、歩行や日常生活の質が大幅に向上します。

    • 入院期間:一般的に約2週間程度。

    • 費用:一般的に保険適用時の自己負担額は20–30万円程度。

  • 関節鏡手術: 小さな切開からカメラを挿入し、損傷した軟骨や骨の修復を行います。比較的負担が少なく、回復が早いのが特徴です。

    • 入院期間:一般的に3–5日程度。

    • 費用:一般的に保険適用時の自己負担額は5–10万円程度。


メリット

  • 重度の膝の痛みや機能障害に対して即効性がある。

  • 痛みの原因を根本から解消するため、日常生活の質(QOL)の大幅な向上が期待できる。

  • 現代の手術では安全性が向上しており、多くの症例で高い成功率を誇る。


デメリット

  • 入院やリハビリに一定の期間が必要。

  • 外科的処置に伴うリスク(感染症や血栓など)がある。

  • 保険適用後でも自己負担額が発生するため、費用面の検討が必要。


手術は大掛かりな治療ですが、進行した変形性膝関節症においては効果的な選択肢となる場合があります。


 

再生医療


再生医療は、体の自然な修復機能を活用して、膝関節の根本的な改善を目指す治療法です。保存療法や手術療法の間に位置する治療法として、近年大きな注目を集めています。



PRP療法(多血小板血漿)


  • 治療概要: 患者さま自身の血液を採取し、そこから血小板を濃縮したPRPを患部に注入する治療法です。血小板には成長因子が含まれており、組織の修復を促進します。

  • メリット: 自己由来の成分を使用するためアレルギーのリスクが低く、短時間で治療が完了します。

  • デメリット: 軟骨が完全に消失している場合には効果が限定的。

  • 費用:1回あたり約5–10万円程度(保険適用外)。



PRP-FD療法(PFC-FD療法)


  • 治療概要: PRPを特殊な技術で凍結乾燥させたものを使用し、通常のPRP療法よりも保存性が高く、治療の自由度が向上。

  • メリット: 保存が可能なため、必要なタイミングで治療が受けられる。

  • デメリット: PRP療法同様に軟骨が完全に消失している場合は効果が限定的。

  • 費用:1回あたり約15–30万円程度(保険適用外)。



ACP療法(自己血サイトカイン療法)


  • 治療概要: 患者さまの血液から抗炎症作用のあるサイトカインを抽出し、炎症を抑えながら組織の修復を促進する治療法。

  • メリット: 炎症を抑える効果が強く、軽度から中等度の症状に適しています。

  • デメリット: 軟骨の再生能力は幹細胞治療ほど強くない。

  • 費用:1回あたり約3–5万円程度(保険適用外)。


    ACP

幹細胞治療


  • 治療概要: 患者さまの脂肪や骨髄から採取した幹細胞を膝関節に注入する治療法です。幹細胞は軟骨やその他の組織を再生する能力を持っています。

  • メリット: 軟骨の再生が期待できるため、進行した変形性膝関節症にも対応可能。

  • デメリット: 費用が高額であることや、効果が個人差によって異なる点があります。

  • 費用:1回あたり約100–200万円程度(保険適用外)。


 

治療を決める際のポイント


膝の痛みに対する治療を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください:

重要なのは、まず適切に診断をしてもらうことです。膝の痛みの原因を正確に特定することで、最適な治療法を選択できます。


  1. 自分の症状の程度を把握する

    • 痛みや炎症の度合い、関節の状態を正確に知るため、専門医による診断を受けましょう。

  2. 治療法のメリットとデメリットを理解する

    • 保存療法、再生医療、手術療法のそれぞれの特徴を理解し、自分に合った選択を。

  3. 費用と通院の負担を考慮する

    • 保険適用の有無や治療にかかる時間、費用を事前に確認する。

  4. 専門医に相談する

    • 信頼できる専門医のアドバイスを受け、適切な治療法を選びましょう。


 

まとめ


一人ひとりの症状によって、保存療法、再生医療、手術療法の選択肢があり、それぞれの治療法のメリットとデメリットを理解したうえで適切な治療を選択することが大切です。

湿布や痛み止め、ヒアルロン酸注射で効果を感じられなかった方、そして手術を避けたいと考える方にとって、新たな選択肢となる再生医療も徐々に普及してきています。PRP療法や幹細胞治療など、最新の治療法を取り入れることで、膝の痛みから解放される可能性が広がります。

膝の痛みや再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ当クリニックまでお気軽にご相談ください。


札幌中央整形外科クリニック


 


亀田 和利

 


最新の膝に関する情報をLINEでお届け!



友だち追加はこちら↓



 
bottom of page